サージカルガイドで安全性と精密さを重視したインプラント治療

インプラントとは人工の部品や材質で作られた体内に埋め込む医療器具の総称です。インプラント治療とは、むし歯や歯周病、ケガなどによって歯が失われた際にあごの骨に人工の歯根(インプラント体)を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療のことを指しています。

入れ歯やブリッジと比較するとあごの骨に埋め込むインプラント治療による人工歯は、ご自身の歯と同じようにしっかりと噛むことができます。また、見た目がとても自然なので治療を希望される患者さんが増えています。ただし、インプラント治療は外科手術を伴うため、高い精密性や安全性が求められます。

ホワイト歯科では、デジタルデータと歯科用CTで採取したデータをもとに『サージカルガイド』と呼ばれる装置を使用することにより、正確で安全なインプラント治療を提供しています。

精密・安全なインプラント治療を行うために必要な検査

あごの骨に人工歯根を埋め込むインプラント治療では、まず患者さんの骨の状態を細部に至るまで把握する必要があります。このときに欠かせないのが、レントゲン検査と歯科用 CT スキャンによる検査です。

歯科用レントゲンとCTによる検査

CT スキャンではレントゲン撮影だけでは分からない三次元の診断ができます。歯が抜けてから時間が経過している場合、あごの骨が吸収されてインプラントを埋め込むだけのスペースがとれないことがあります。この場合『骨造成』や、強度や厚みのある骨をつくる『再生医療』が必要になります。

血液検査・心電図検査・アレルギー検査

インプラント治療では外科手術が必要となるため、血液検査や心電図検査を実施して、糖尿病や心臓病などの病気がないかも検査しなければなりません。人工歯根に使用する素材であるチタンはアレルギーを起こしにくい素材ですが、金属アレルギーについても同様に検査します。

歯周病検査

歯周病についての検査も実施します。インプラントも歯周病と同じような「インプラント周囲炎」という感染症になることがあります。最悪の場合、せっかく埋め込んだインプラントが抜け落ちてしまうことも考えられます。こうしたトラブルを防ぐために、事前に歯周病の検査をし、必要に応じて歯周病の治療を受けることも大切です。

精密なインプラント治療のためのサージカルガイド

インプラント治療は医師の高い技術と経験が求められる治療です。外科手術が必要であるため安全性も確立させなければなりません。

当院ではTRIOS3と呼ばれる口腔用スキャナーを使って、歯の型どりを行います。さらにこの口腔用スキャナーと歯科用 CT で採取したデジタルデータをもとに『サージカルガイド』というマウスピースのような装置を作製します。

では、なぜこのサージカルガイドが必要なのでしょうか。インプラントは正しい位置や角度に埋入することが非常に重要になります。少しでも埋入位置や角度がずれると装着後の違和感や、よく噛めないといったトラブルにつながるだけではなく、神経に触れてあごに麻痺が残ったりすることがあるからです。

とはいえ、埋入は人の手によって行われることからわずかな誤差が出てしまうことが考えられます。サージカルガイドは手術前のシミュレーション通り、正しい位置と角度にインプラントを埋入するためのアシストをしてくれる装置なのです。

インプラント治療の流れ

基本的にインプラントの手術は2回に分けて行われます。

1回目の手術ではインプラント体（人工歯根部分）の埋入を行います。粘膜を切開後、あごの骨に穴を開けてインプラント体を埋め込み、縫合。

この1回目の手術が終わったら、インプラント体と骨がしっかりと結合するまで3～5カ月程度の治癒期間をおきます。その後、2回目の手術を行います。

2回目の手術では、歯ぐきを切開し埋め込んであるインプラントの先端にかぶせ物を結合するための「アバットメント」という部分を装着します。その後、歯ぐきが治癒したらかぶせ物の型を採取。かぶせ物が完成したら装着してインプラント治療は終了です。

インプラント治療のメリットとデメリット

まるで自分の歯のようにしっかり噛めるインプラント治療。希望される患者さんもたくさんいらっしゃいますが、原則としてやり直しが難しい治療だけに事前にメリットとデメリットを把握していただかなければなりません。当院では、インプラント治療の前にどんな検査や処置が必要か、治療期間や費用がどのくらいかかるかなど詳しく説明させていただきます。